円安対策としての貿易政策の調整 結城永人 -12月 29, 2023 円安対策としての貿易政策の調整とは円安によって輸入品の価格が上昇することで、国民の生活コストが上昇し、企業の輸入コストが増加することを抑制するために輸入を抑制することです。 輸入関税の引き上げ 景気回復 by 結城永人 輸入関税の引き上げは最も直接的な輸入抑制策です。輸入関税を上げると輸入品は国内で販売する際に高額になるため、輸入需要が減少します。 例えば政府は輸入自動車の関税を現行の3%から10%に引き上げることで、輸入自動車の価格を、7%、高め、輸入需要を減少させるようなことができます。 輸入関税の引き上げは輸入品の価格を直接的に引き上げることができるため、比較的短期間で効果を発揮することができます。しかし輸入品に依存している企業や消費者にとってはコストの増加や価格上昇などの負担となる可能性があります。また、貿易相手国から反発を受ける可能性もあります。 輸入枠の設定 輸入枠の設定も輸入抑制策の一つです。輸入枠を設けると輸入量が一定量を超えると輸入品の関税が引き上げられるなどの措置が取られます。 例えば政府は鉄鋼製品の輸入枠を年間100万トンに設定することで、輸入量が100万トンを超えると輸入関税をさらに引き上げるようなことができます。 輸入枠の設定は輸入関税の引き上げに比べると輸入品の価格上昇を抑えることができます。しかし輸入業者が輸入品の仕入れを調整したり、在庫を調整したりするなど、一定の期間をかけて輸入量が減少します。また、貿易相手国から反発を受ける可能性もあります。 輸入補助金の廃止 輸入補助金の廃止も輸入抑制策の一つです。輸入補助金は輸入業者が輸入品を国内で販売する際に国から補助金が支給される制度です。輸入補助金を廃止すると輸入品の価格が上昇し、輸入需要が減少します。 例えば政府は農産物の輸入補助金を廃止することで、輸入農産物の価格を約30%高め、輸入需要を減少させるようなことができます。 輸入補助金の廃止は輸入品の価格を直接的に引き上げることができるため、比較的短期間で効果を発揮することができます。しかし輸入品に依存している企業や消費者にとってはコストの増加や価格上昇などの負担となる可能性があります。 その他の対策 上記の3つの対策以外にも円安対策として輸入抑制を目的とした措置が考えられます。 例えば政府は輸入品に対する検査や審査の強化などを実施することで、輸入品の流通を遅らせ、輸入量を抑制することができます。また、政府は輸入品に対して円安対策に繋がる宣伝や啓発活動を実施することで、輸入品の需要を抑制することができます。 まとめ 円安対策として貿易政策の調整は有効な手段の一つです。しかし効果に時間がかかることや国際的な影響などの留意点もあります。また、輸入抑制によって輸入品に依存している企業や消費者の負担となる可能性もあります。 関連ページインフレを引き起こす円安について コメント 新しい投稿 前の投稿
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