代名詞
マイケル・ジャクソンのムーンウォークは1983年5月の『モータウン25周年コンサート』(Motown 25: Yesterday, Today, Forever』の中の『Billie Jean)の間奏部――全体の振り付けの一部――で初めて披露されたダンスの動きです。このパフォーマンスは世界中の人々を驚かせ、ムーンウォークは瞬く間に世界中に広まると共にマイケル・ジャクソンのアーティストとしての代名詞ともなりました。
起源について
ムーンウォークの起源は1970年代のストリートダンスで生まれたバックスライドという動きと言われています。この原型は1930年代のタップダンスに見られ、その後、ファンクミュージックを発端として生まれたストリートダンスの一種のブーガルーダンスからバックスライドが出て来ました。何れも足を後ろに滑らせながらもう一方の足を前に伸ばすという点で、似た動きになっています。
- 1930〜60年代
- タップダンス
- 1970年代
- ブーガルーダンス/ストリートダンス
- 1980年代以降
- ブレイクダンス/ストリートダンス
ムーンウォークの前身であるバックスライドは1970年代からエレクトリックブーガルーズがテレビの『ソウルトレイン』(Soul Train)で、披露して世の中に知られました。
完成について
マイケル・ジャクソンはテレビの『ソウルトレイン』でエレクトリックブーガルーズのバックスライドを知り、ダンサーのジェフリー・ダニエルやジェロン・キャスパー・キャンディデイトに連絡を取って教わりました。
また、車の移動中に町中で三人の子供がやっていたバックスライドにインスピレーションを受けて独自に改良し、最終的に横向きの体勢から前に出るようで、後ろに下がってしまう不思議な動きに仕上げました。これをムーンウォークという名前で呼んで『Billie Jean』の振り付けとして披露するようになると世界中に広まりました。
発展について
マイケル・ジャクソンのムーンウォークは完成してからも年々と磨き上げられて発展して行きます。これは最初に彼にインスピレーションを与えた三人の子供のうちの一人だったブガルー・シュリンプとの出会いが大きかったようです。一緒にダンスの凄まじい練習を行ったり、コンサートのダンスのアドバイザーに就いて貰う中でムーンウォークの歩幅をもっと広く取るなどの助言を受けて1990年代以降に本人の意向を十分に反映するものになったと考えられます。
何が魅力的なのか
マイケル・ジャクソンのムーンウォークの特徴は以下のとおりです。
- 足を大きく開き、片足を後ろに滑らせる。
- もう一方の足を前に伸ばす。
- この動きを繰り返す。
- まるで空中を歩いているかのような錯覚を生み出す。
マイケル・ジャクソンのムーンウォークはその独特な動きによって以下の3つの点で世界中の人々を魅了しました。
視覚的なインパクト
マイケル・ジャクソンのムーンウォークはその独特な動きによってまるで空中を歩いているかのような視覚的なインパクトを与えます。このインパクトは彼のカリスマ的なパフォーマンスによってさらに高められ、人々を魅了しました。
音楽との一体感
マイケル・ジャクソンはムーンウォークを自身の楽曲と一体化させて披露しました。このことで、ムーンウォークは単なるダンスの動きではなく、音楽と一体となったパフォーマンスとして人々の心に刻まれました。
誰でもできる動き
マイケル・ジャクソンのムーンウォークは比較的に簡単に習得できるという点も人々に親しまれる理由の一つです。このことで、世界中の人々がムーンウォークに挑戦し、マイケル・ジャクソンのダンスを身近に感じるようになりました。
マイケル・ジャクソンのムーンウォークはダンスの歴史に残る最も象徴的な動きのひとつであり、彼の代名詞とも言えるものです。これからも世界中の人々を魅了し続けていくことでしょう。
影響力
マイケル・ジャクソンのムーンウォークは彼のダンスの才能や努力の賜物であると同時に当時のダンスシーンや音楽シーンの変化も反映したものでした。
1980年代はダンスミュージックが世界中で流行し、ブレイクダンスが注目される時代でした。彼はそんな時代を象徴するアーティストであり、ムーンウォークはブレイクダンスの魅力を世界中に広めたと言えるでしょう。
また、マイケル・ジャクソンはダンスを単なるパフォーマンスではなく、音楽の一部として捉えていました。彼はムーンウォークを自身の楽曲と一体化させることにより、ダンスに新たな可能性を見出しました。
マイケル・ジャクソンのムーンウォークはダンスの歴史に大きな影響を与えたと言えます。
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